ミロドンはSDE-hater
ミロドンは、スクリーンドア・エフェクト(SDE)が、大っ嫌いです。VRヘッドセット以前からの年季が入ったSDE-haterです。
ミロドンは、1990年代から、液晶プロジェクターでSDEといやいやながらのお付き合いを続けてきました。初期の液晶プロジェクターのSDEは、ほんとに酷かったんですよ。フルHDの解像度になって、やっと液晶プロジェクターは、SDEからほぼ解放されました。
ところが、VRヘッドセットで、あの憎っきSDEがデカい面をして復活してきたのです。Rift CV1や初代VIVEは、解像度が低くてSDEが酷かった。キックスターターでPimax8Kをバックして、SDEはあるが何とか我慢できる水準のヘッドセットを手に入れました。
でも、それから1年足らずで8KXが出てきて、SDEがほぼ見えないレベルになったと言うので、我慢が出来ずにアップグレードしてしまったのです。
決め手になったのが、Sewviverさんが撮影した下の写真です。スカイリムの一場面をレンズ越しにマクロで拡大しています。左上が8KX、右上が5K+、左下が8K、右下が8K+です。8Kと8K+は、1440Pを2160Pにアップスケールしているので、ややぼけた眠い画像になっています。
違いは歴然ですね。8KXと8Kは、8KXの方がSDEが少ないように見えますが、パネルが同じなのでSDEは同じです。8Kは、5KよりSDEが小さく、またダイヤモンド配列なので、人の顔の場合には5Kよりずっと自然に見えます。これが、ミロドンが5Kでなくて8Kを選んだ理由です。でも、8KXと比べてしまうと、形無しです。
下は、左が8KXで、右が5K+です。コメントの必要もありませんね。
ついでに、Indexとの比較です。左が8KX、右がIndexです。Indexは、5K+よりだいぶ良く、8Kと同程度です。8KXは、すごいと思いませんか?
Indexと8Kとを比べると、縦横配列がよいか、ダイヤモンド配列がよいかは、好みの問題なので評価は人によると思います。鮮鋭度ではIndexの勝ちですね。
写真は上げませんが、HPのReverbは、2160Pパネルなので、8KXとほぼ同等のSDEです。8KXが買えないSDE-haterは、コスパがものすごくよいReverb2に走るのもありだと思います。
Pimax8Kの不満点
Pimax8Kは、圧倒的なFOVと解像度があり、おおむね満足していました。
それでも、使っているといろいろな不満点も出て来ます。そのうち、最も大きいのは、リフレッシュレートが80Hzで、90Hzに達していないことと、レイテンシーがやや大きいことです。8KXでこの最大の不満が解決するのが、8KXにした2番目の理由です。
リフレッシュレートが80Hzでレイテンシーがやや大きいことは、ほとんどのゲームというか、1つのゲーム以外では全く問題にならないのですが、ミロドンが一番やっているMocuMocuDanceだけがこの影響をもろに受けるのです。
MocuMocuDanceは、ほぼ毎日1~3時間ぐらいやっています。全VR時間の50%ぐらいがMocuMocuDanceです。
MocuMocuDance(もきゅもきゅだんす)は、MMD(ミクミクダンス)をVRで鑑賞するためのソフトです。ただ鑑賞するだけではなく、VRの中でボーカロイドの初音ミクなどのモデルと一緒に踊ることができます。モデルとダンスモーションは無数に公開されています。
妹尾雄大(せのおゆうだい)さんが開発しているソフトで、公式サイトはここです。http://www.vrai.jp/vr_mocu.html
ダンスなので、激しい動きが多くなり、リフレッシュレートは高いほど良い のです。ミロドンが持っている90Hzのヘッドセット(VIVE、Rift、Odyssey)と比べると、8Kはややカクカクした動きになります。8Kは、64Hz、75Hzにも変更できるので、リフレッシュレートを下げるとカクツキがもっと大きくなります。
8Kのレイテンシーは、20msに近く、5K+やVIVEなどが数ms程度なのに比べて大きいと言われています。Pimaxの公式発表値は、全機種とも同じで15ms未満ですが、機種ごとに違いがあるようです。
8Kのレイテンシーが大きいことを最初に指摘したのはMRTVのセバスチャンさんです。Road to VRの記事でも言及しています。フォーラムで話題になって、セバスチャンの発見を確認しようといろんな人が試したのですが、ほとんどの人は違いが判らないと言っていました。レイテンシーの基準値は20msなので、よっぽど敏感な人や専門的な訓練を受けたプロでないとわからないレベルで、実用上問題なしというのが当時の結論です。
ところが、MocuMocuDanceでは、リフレッシュレートだけでなく、レイテンシーの遅れがカクツキや滑らかでない動きを増幅しているように思われるのです。
そこで、Pimax8KXですが、レイテンシーが改善されて5K+と遜色ないとセバスチャンが報告しています。
8KXのリフレッシュレートは、4Kのネイティブモードでは75Hzで8Kの80Hzより低いのですが、1440Pから2160Pにするアップスケールモードでは90Hzと114Hz(当初の目標は120Hz)なので、十分な性能が確保できそうです。